採用された案を大きく改変するというのは政治的に無理なんだな
それをやってしまうと選定の正当性にケチがつけられると
開発計画の正当性が問題視されてF-3開発が中止に追い込まれる可能性が出てくるから

F-2開発で最後の最後まで空対艦ミサイル4発携行を含む要求性能の変更がされなかったのはその為
国際情勢の変化で仕様が大きく改変されるという話はもっともらしく聞こえても実は政治的に非常に難しい
基本的には選定時に提案されたF-3自主開発案のまんま設計がされることになる

原案を大きく修正するのが許されるのは設計変更しないと要求性能が満たせない場合だ
F-2の原案では空気取り入れ口の下にハの字型のカナード翼が付く予定だったが
これを付けると色々と問題が出てきて要求性能を満たせない恐れが出てきた
そこで設計側はカナード翼がなくても機能に変わりなくできることを当時の防衛庁に説明して設計変更をした

ただ、選定時に出された要求性能を無視して他の計画にすり替えるというのは無理
対空戦闘重視の戦闘機として採用された案を爆撃機にしてしまうというようなことは出来ない
まして選定終了して予算まで付く段階でやったら防衛省は政治家も国民をも欺いて
戦闘機を開発するといって爆撃機を開発するという暴挙を行ったことになる

基本的には防衛省は情報要求時出された国内企業案を選んだ以上はそれを開発するしかない
他の計画に改変するにはF-3開発を中止して改めて別の計画を立てる以外に方法はない