>>711
> 戦闘機に当てられないミサイルなのは知ってたけど、2G程度の機動なら輸送機にだって楽々避けられませんかね?

2G機動で回避可能という計算結果は、次の3点を前提としている
1.インパクト時のフェニックスの飛翔速度(つまり終端速度)がM3ということ(これは前の投稿に書いた通り、単に私の勝手な推定)
2.ミサイルは直撃しない限り破壊効果を持たない(近接信管はない)、だからミサイルはインパクトのためには目標の機動に完全に追従できねばならない
3.目標とされた戦闘機はインパクト直前のギリギリまで引き付けて回避機動を行う

この3つの前提のどれが一つでも違えば回避機動に必要なGは簡単に大きくなる
各々の前提が違えばどのようになるかを具体的に説明すると以下のようになる

前提1のフェニックスの終端速度が遅くなれば
 同じ旋回半径の機動でもミサイルの受けるGは小さくなるのでフェニックスに戦闘機の回避機動はより大きなGで行わねばならない
 例えばだが、フェニックスの終端速度がM2ならばフェニックスに機動限界の17Gを超えるGを強いるには戦闘機側の回避機動は4.5Gが必要

前提2の直撃だけでなく近接信管による破壊も可能となれば(そして実際のAIM-54は直撃信管と近接信管との併用だった筈)
 フェニックスは戦闘機の回避機動に完全に追従できなくても破壊できる範囲が生ずるのでフェニックスが目標破壊圏へと機動するGを小さくでき
 上と同じく戦闘機側はより大きなGで回避機動せねばならない

前提3の戦闘機がのパイロットが恐がった為に)インパクトギリギリまでフェニックスを引き付けられずに早く回避機動を始めた場合、
 フェニックスから見ると戦闘機の描く運動の角速度が小さくなる
 (目標の描く角速度は目標の接戦方向の移動速度をミサイル−目標間の距離で割った値なので引き付けられなければ距離が大きくなり角速度は小さくなる)と
 フェニックスにとっては戦闘機へと追随する機動の旋回半径を大きく取れるのでフェニックスの受けるGは小さくなる
 従って戦闘機側はより大きなGで回避機動をしなければフェニックスを振り切れない