地球外からやってきた隕石を食べる古細菌が発見される (ニューズウィーク 12/12)

古細菌の「メタッロスパエラ・セドゥラ」は、摂氏74度の高温かつpH2の酸性環境で最適に生息する好気好酸好熱性の古細菌であり、様々な
金属含有鉱石に定着する。古細菌は、化学合成独立栄養生物であり、無機化合物を酸化してエネルギーを得るのが特徴だ。

● 動画:隕石を食べる古細菌が発見される
このほど、メタッロスパエラ・セドゥラが、隕石の中に閉じ込められた金属をエネルギー源として用い、成長することがわかった。

■ 地球外物質である隕石を摂取し、処理できる
オーストリア・ウィーン大学のタチアナ・ミロジェビッチ博士を中心とする研究チームは、隕石に残された微生物の痕跡などを分析し、2019年
12月2日、オープンアクセスジャーナル「サイエンティフィック・リポーツ」において、「メタッロスパエラ・セドゥラは地球外物質である隕石を摂取し、
処理できる」との研究論文を発表した。
これによると、メタッロスパエラ・セドゥラは、地球上の鉱物よりも隕石の鉱物に速く定着することも明らかになっている。

ミロジェビッチ博士らの研究チームは、2017年10月に発表した研究論文で、「メタッロスパエラ・セドゥラが火星土壌の模擬物質で成長し、
積極的に定着する」ことを示していた。

■ 地球上の鉱物よりも、隕石のほうがより有益
今回の研究では、2000年にアフリカ北西部で発見された重さ120キログラムの隕石「NWA1172」を対象に、ここで生息するメタッロスパエラ・
セドゥラの生理機能と金属との界面について探った。

メタッロスパエラ・セドゥラは、地球起源の鉱物に比べて「NWA1172」の鉱物により速く定着。
「NWA1172」は多金属物質で、細菌の代謝活性や成長を促す金属をより多く提供するのに加え、「NWA1172」の多孔性がメタッロスパエラ・
セドゥラの成長率を高めることに寄与しているとみられる。
ミロジェビッチ博士は「メタッロスパエラ・セドゥラにとっては、地球上の鉱物よりも、隕石のほうがより有益なのだろう」と考察している。(後略)
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191212-00010005-newsweek-int

嫌気性パイセン「俺は負けた・・ あらゆる意味で・・・」