F―15戦闘機の近代化改修の概要

貴自衛隊は、主力戦闘機であるF―15戦闘機(以下「F―15」という。)を平成25年度末現在で201機保有している。そして、貴自衛隊は、今後もF―15を長期間にわたり運用することを予定しており、将来における技術的水準の動向に対応し、我が国の防空体制の向上を図るために、16年度から25年度までの間に72機の近代化改修の契約を締結している。改修の内容は、探知能力の向上を図るためのレーダー・セットの換装、この換装に対応した処理能力の向上を図るためのセントラル・コンピュータの換装等となっている。
上記の近代化改修用としてF―15に塔載される通信電子機器のうち、レーダー・セット及びセントラル・コンピュータ(Very High Speed Integrated Circuit Central Computer。以下「VCC」といい、レーダー・セットと合わせて「レーダー・セット等」という。)は、三菱電機株式会社(以下「三菱電機」という。)が米国のレイセオン社及びロッキード・マーチン社とそれぞれライセンス契約を締結して製造している。そして、レーダー・セット等は、貴自衛隊に納入された後に、米国のボーイング社とのライセンス契約に基づき近代化改修を実施している三菱重工業株式会社(以下「三菱重工」という。)に官給され、F―15に搭載されることになっている。
レーダー・セット等は、16年度以降、改修機数に合わせて順次調達が行われていたが、21年度に、経費の削減を図る目的で、その後の近代化改修用として必要な数量について一括して調達が行われている。また、既に改修に使用した機器の不具合発生時の交換用(補用部品)としても、レーダー・セット等の調達が行われている。