>>823
当時の潜水艦は単に必要に応じて水に潜れるだけの文字通り可潜艦だから搭載機の発艦に伴う浮上によるペナルティは相対的に小さい
(それでも伊400型で格納庫の3機の晴嵐を発艦可能な状態に組み立てるには10分を要したので発艦のための浮上時間は10分を超える時間が確実に必要)

他方、発進させた搭載機の回収には相当な時間を要するので大変な危険が伴ったし、事実、伊400型(海大型)では搭載機の晴嵐は回収せず
(搭乗員すらも)使い捨てとする運用を前提としていたと思われる(軍令部レベルでは晴嵐による攻撃は特攻が当然と考えていた)

今の潜水艦は原潜は言うまでもなく通常潜でもスターリング機関等を用いたAIPやリチウムイオン電池などで潜航性能は格段に向上し
昔のような可潜艦というよりも原潜のような本物の潜水艦(潜りたいだけ潜り続けられる船)に近くなったので、逆に言えば、潜水空母での搭載機発着のように
浮上を強いられることは相対的に大きなマイナスになる

ましてや潜水空母が早期警戒機を搭載していたとしても、滞空中の早期警戒機が敵機の接近を捕捉しても潜水中の母艦に情報を伝える手段はない
(何らかの予め決めた物体を投下して海面に着水する音によって「危険」という意味ぐらいは伝えられるだろうが)

だから現代では潜水空母なんてメリットがなくて建造コスト・運用コストだけがやたらと高い無駄な軍艦の極致以外の何物でもない

そもそも伊400型が3隻あったところで、わずか9機の晴嵐攻撃隊(戦闘機の護衛なし!)でどの程度の意味のある攻撃ができるか考えてみれば良い
せいぜいが、一度、奇襲できるだけで大した攻撃力はないし、敵に発見されれば攻撃前に全滅しても不思議ではない(何しろ直掩戦闘機部隊ゼロなのだから)
その倍の6隻でもわずか18機の護衛ゼロの攻撃隊しか編成できない

要するに伊400型に関しての評価は、独創性は確かにあった(その独創性がバカバカしいだけか意味があるかは評価者によって意見が分かれるところ)が
軍事的に意味のある作戦は期待できなかったと考えるべきだ