>>63
 もちろん実際の貫通力には砲弾や甲鈑の個体差なども影響してくる筈だと思います。
 しかしそう言ってしまうと検証困難になるので、当時は射表の数値(撃角撃速)に基づいて甲鈑を実射して得たデータを修正値として計算します。
 1枚の甲鈑を試験するにしても、2〜5発位撃って弾体がギリギリ貫通とも言える均衡撃速を求めます。
 多少の揺らぎが出ても半分は貫通するだろうというあたりですね。もし貫通しなかったとしても貫通寸前までは行くはずです。
 たった数発の試験ですから砲弾や甲鈑のロットによっては誤差もあり得る筈ですが、
それらも領収時の試験で一定の基準をクリアしていると見なされていますから良しとされたのでしょう。
 貫通力の公式は幾つもありますが、同じ実射データから得た修正値を入力すれば大同小異の結果になりますね。

 戦艦主砲のような大物は離れて、陸軍砲弾位の小型のものだともっとたくさん試験して貫通保障のような数値を得ることもあるそうです。