>>35
考察ブログより転載
http://miura.trycomp.net/?p=1450
漫画は最終回、コースケが和尚のたのみで地方の寺に、
片道料金だけをもらって壺を届けに行くところで終わっていた。

いつ戻るかわからない旅という、漫画ではよくある終わり方だが、彼女も含めて皆明るく送り出す、
ちょっと不思議な最終回だったのだが、これも「出家」のイメージではないかと思うと納得もいく。

確かこれが講談社から漫画文庫になった時は、コースケが寺男になっていたとかいう作者の解説がついていたような気もするのだが、この漫画にはそれしか最終回はありえないように思う。
いくつもの復刻版に前川つかさは(おそらくコースケとの再会を喜びつつ)その後のコースケの生活を何篇か書き下ろしているが、
個人的には絵柄の変化もあり、懐かしさ以上のものは感じられない。
いや、失礼ながら、それ以後の時代にはコースケの居場所を作者は作れていない。
コースケはバブル崩壊以後、日本だけではなく世界中が、金銭欲から権力欲、偏狭な精神に覆われていくまえに、
現世から出家していったと思ったほうがいい。