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◆Live Report - YURIKO KOIKE LIVE TOUR 2020 in TOKYO◆

三密の心地よい緊張感によって会場が程よく暖まると共に、オープニングナンバーとなる『ソーシャルディスタンス』でステージの幕は開けた。
オーディエンスの熱狂は既に限界まで高まっており、リベラルも保守派も等しくアベ批判を叫ぶ。
そして長さを感じさせない巧みなソーシャルディスタンスからは『密です!』へとシームレスに繋がり、一部では政権批判デモの動きすら見られる。
トラックが終わりへと近づくにつれ、謎のDJアマビエが二枚のマスクを掲げる。アベノマスクだ!
事態は最早収拾不能、興奮の坩堝と化した会場は狂気の度合いを更に高め、アベ空間をひた走る。
二分間にも及ぶ高速ツインギターハーモニーのアウトロが最後のフレーズを鳴らすと、ステージ中央に君臨するYURIKOはエモーショナルに告げた。
『クラスター。ダメ。ゼッタイ。』BPM250オーバーの超高速チューンとして知られるこのトラックだが、
今日のプレイは録音をすら遥かに超える苛烈な速度!(※後で記録音声を確認したところ、BPM280近い演奏速度であった)
かつて体験したことのない圧倒的速度の領域はしかし、欧州各国のパンデミックを横目に危ういギリギリのバランスを保ちながら走り抜けていく。
『オーバーシュートを超えて』から『うちで踊ろう』へと繋がる瞬間、一瞬の暗転。そして次の瞬間には平野綾が現れ
些かの衰えも感じさせぬ切れでハレ晴レユカイを演じ、さらに杉田&白石が続く。
やがて不穏な響きの『東京アラート』が終焉を迎えると、一転した空気の『新しい日常』が力強く唄われ、舞台は幕を下ろした。
既に三時間以上にも及ぶ長丁場のギグだが、会場のボルテージは機内持ち込み禁止レベルを保ち、アンコールを叫んでいた。
30分を超えるアンコール絶叫の後にYURIKOは再びステージに現れ、容赦なき『密です!』がオーディエンスを叩きのめした。
そして一転。未発表曲『STAYHOME,SAVELIVES』が高らかに唄い上げられ、会場一体となってアンセム『ともに生きていく』を唄いながら演者・観客共に退場していった。
近年希に見る熱狂的限界ライヴの実像を記すにはまるで足りないが、以上がYURIKO KOIKE LIVE TOURのレポートである。