MRJの失敗が三菱重工業にダメージらしい
----
新型コロナウイルスの影響で業績が悪化している三菱重工業が、グループ外の複数の企業に従業員の出向受け入れを打診していることが分かった。
同社は民間航空機の部品事業が不振、小型ジェット旅客機の開発事業も赤字が膨らんでいる。

コストを圧縮するため、出向という形で一時的に余剰人員を削減する。
事情を知る複数の関係者が明らかにした。

全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスも複数企業に出向の受け入れを要請しており、
コロナ禍で需要が落ち込む航空関連業界の苦境が浮き彫りになった。

関係者によると、三菱重は愛知県内の複数企業に従業員受け入れを打診。
このうち、トヨタ自動車グループの部品メーカー、豊田合成 には来年1月以降、原則3年間、工場の生産技術者など数十名を受け入れてもらえないか要請している。
人件費を抑えてコロナ禍を乗り切りたい考えで、需要回復時には人員を戻せるよう雇用は維持する。

愛知県には三菱重工の米ボーイングBA.N向け航空機部品関連の工場があるほか、
小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット」(旧MRJ)の開発子会社、三菱航空機(愛知県豊山町)が拠点を構える。

三菱重の広報は、個別の話は回答を控えたが、出向を通じて「人員規模の調整はしている」と述べた。豊田合成はコメントを控えた。

三菱重の20年4─6月期(国際会計基準)は579億円の連結最終赤字(前年同期は163億円の黒字)に転落。
小型ジェット旅客機の開発事業は688億円の損失を計上した。
日本会計基準を採用していたころも含め、四半期として過去最大の赤字だった。

別の関係者によると、三菱重は納入先である航空各社の業績悪化で受注が見込めないことから、
スペースジェットの事業化を凍結する方向で調整している。

https://jp.reuters.com/article/idJPKBN27C3BL