>>389
「同じアラスカで思い出す話が一つある。名古屋のアラスカだ。丁度僕が名古屋の宝塚劇場で芝居をしていた時、南京が陥落した。
そのニュースで景気が立っていた時昼食に、名古屋のアラスカへ行った。と、メニュウに、南京陥落スープというのがある。アハハ、
何でも南京陥落なんだね、ま、それをもらおうよと、註文した。
運ばれたのを見ると、別段南京陥落みたいな感じはしない。(むろん、ただそういう名前を附けただけのことだろうーー)ポタージュに、
チーズトーストの小片が附いているだけのもの。で、そいつを匙で掬って味わってみると、カボチャのポタージュだ、ハテな、カボチャは
ナンキンと言う。ほほう、南京だね、これはーーと、次に、気がついたのが、傍らに添えてあるチーズトーストである。チーズは、乾酪。
カンラクだ!うまい。南京陥落に違いない。」 (古川ロッパ『ロッパ食談』)

※このアラスカというのは朝日新聞社屋に必ず入っている高級レストランです