>672
それは縦深作戦の進化の道であり、作戦術はそれと並行して別途議論が進んでいます。
その意味で、あの本は「片方」に偏っており、錯塩術におけるソ連の戦法解説が「中心になってしまっています。

なお、グランツはその後に、ソ連の作戦術論文をまとめたものを2冊出しています。
(戦前論文をまとめたものと、戦後論文をまとめたもの。戦後版は購入済(戦前は知人が買ったのでw)

>673
>Vegoは大戦術

その理由には他にもあると思います。

1)西側と東側の政治形態の違い
 モルトケ以降、戦時と軍事の分割が行われ、特にWW1&2以降の西側はそれが加速しています。
 つまり、政治戦略と軍事戦略の分断が起きており、結果的に作戦術から政治要素が弾かれ、戦略よりも戦術に寄り添いがちになrってしまった。
 現代に生きるVegoも当然、そこの影響を受けていると感じます。
 (その点、ルトワックは政治戦略と軍事戦略をあまり分断させない。特に最近はその傾向が顕著であり、西側の常識から考えると批判や否定されることも多い)

2)Vegoがマハン派であること
 マハンの海上権力史論は戦略次元に寄りがちですが、海軍戦略は書名こそ戦略を謳っていますが、内実は作戦次元、しかも戦術寄りです(つまり大戦術)
 Vegoが有名になったの初期の著作としては例の境海(ナローシー)の本は、ポジションの重視など明らかにマハンの「海軍戦略」の方に強く影響を受けていると思われます。
 つまり、Vegoは当初より、マハンの大戦術に寄っているというか、そこにマハンの良点を見出していると推測します。

 (なお、以前も書きましたが、私はマハンの海軍戦略を高く評価していますが、海上権力史論はあまり評価していません)
 (海上権力史論を現代に当てはめるには、あまりにも前提条件が違いすぎています。その意味ではコーベットの方が良いと考えています)

Lans的格付け

マハン海軍戦略>コーベット海洋戦略の諸原則>マハン海上権力史論

通常、マハニアンは海上権力史論に強く影響されていますが、Lansはマハンを高く評価しますが、マハニアンでは無いのです。