>>540
空自はかつて米空軍と同じF-15を旧FIとして採用したにも関わらず、米空軍と異なり教育体系より高等練習機を廃し、国産高等練習機T-2の後継はT-4と複座戦闘機としている

現状の米空軍のF-22A、F-35Aに進む学生は
初等練習機→中等練習機→高等練習機→機種転換機(複座戦闘機)→単座戦闘機
という課程となっている
上記から機種転換機を外すことは大変な効率化であり、そのためにかかる高コスト要因(T-Xの要求性能の高まり)を合理化できる
一方、空自の学生は
初等練習機→中等練習機→複座練習戦闘機→単座戦闘機という課程であり、
仮に今後も複座練習戦闘機が維持されるのであれば機種転換機(複座戦闘機)の範囲も担う米T-Xの要求性能は過剰であろう

専用高等練習機の次に機種転換機を経て単座戦闘機に乗せるという米空軍の非効率な教育体系を改めるためにT-Xの仕様は決まったものであり、
専用高等練習機がなく複座練習戦闘機を維持している日本には不要な飛行性能を含む要求となっている
複座練習戦闘機が維持されるかは令和4年度まで行われるF-3の構想設計を含む構想検討で決まる

また、米空軍と空自の要求については下記の通りの指摘がある
「JT-Xは中等〜高等練習機であり、第5世代戦闘機に搭乗するパイロット教育に最適な仕様が求められるが、同様の用途に使われる米空軍T-Xに求められる要求との相違点は当然ある。運用環境の違いと経費対効果の判断が同一ではないからだ。わが国の運用環境を考慮すれば、双発機が望ましいのは論を待たない。人口密集地に所在する飛行場での運用を考えれば、双発機の持つ本質的な冗長性は練習機の理想だからである。双発機と単発機の大事故率を見ればその違いは歴然としている。」
林元空将 軍事研究2017年10月号