>>94
国際的な貸し借りと為替レートによる調整だよ。

輸出するときは、お金を貸した形。輸入する時は、お金を借りた形。金融機関をいくつか
通じる中で、適宜まとめて、為替市場で交換が行われる。その際に、為替レートが調整
される。貿易だけを取り上げると、こういう事になる。以後、貿易外収支等も含めて、経常
収支で説明する。

現実の世界では、リスク管理上、国際的な決済にかかわる金融機関はハードカレンシー
通貨を多めにしたバランスで各国通貨の手持ち資金を持つ。時々ポートフォリオバランス
を調整したりする。そちらの資金需給も加味して為替レートが調整される。実際には、この
ポートフォリオ調整の方が大きいので貿易は決定的要因ではなく、ただのニュースとして
の存在になっている。

つまり、そこの資金を必要としている国がどこかにあれば、自国通貨を貸す事で決済通貨を
借りる事が可能になる。貿易取引の規模なんて、金融取引の規模からみればゴミレベル
の数字なので、日本クラスの経済規模の国であれば、経常収支赤字が為替相場に決定的
な影響を与えて、お金を借りる事ができないという事はない。

アメリカは万年経常収支赤字国であるが、資金需要が尽きないので、問題が起きていない。
頭の古い人、工場労働者の支持を集めたい政治家が、貿易問題を政治課題として取り上げ
るだけの事。外貨不足を煽る輩も基本同じような政治ネタとして使っていると認識すべき。

一方で、フィリピンもそうだし、自国通貨がハードカレンシーたりえない国では、輸出が行き
詰まると決済用の外貨が不足して、IMFやらハードカレンシー国とのSWAP協定で別途決済
用の外貨を国として借りて、民間に転貸する必要が出てくる。それを怠り、また金融引き締め
による景気鎮静化を怠ると、タイ通貨危機などのような通貨危機を誘発する。
日本は、こういう国とは決定的に違う立場である事は、わかっているべき。