>>898
当時から学術会議のリニアコライダー潰しは批判されてた

 
例えば、11月14日に検討会があったので傍聴したところ、現時点の「案」だという断りはあるものの、ILCに対して以下のような表現がバンバン飛び交っていた。

 「ILC建設を正当化する主たる根拠とはなり得ない」「コンセンサスが形成されている状況にはない」「万が一の事故対策などに関する記述が少ないことは懸念材料」
「不確定要素が大きい」

 国際協力の見通しや、予算、運営をしていく上での人材などごもっともな指摘も少なくないものの、現時点で「計画」に過ぎないILCの「意義」を審議するはずが、
計画そのものを白紙にしろと言わんばかりの勢いで、「ちゃぶ台返し」なのだ。

 もちろん、あえて「高めの球」を投げた可能性も否めない。この手の検討会を取材するとよく見かけるパターンなのだが、最初にかなりネガティブ方面へ舵(かじ)を
切った「案」をドーンとぶちまけてから、議論をしていく中で、両論併記的な角の取れた答申にする、という展開が多々あるからだ。

 ただ、それをさっぴいても、何か恨みでもあるのかというくらい「批判」のクセが強いのだ。

状況は改善せず、悪化するばかり
 それが筆者の気のせいではないことは、検討会が終わってから、委員長として案をまとめている東京大学・家泰弘名誉教授のマスコミの囲み取材で、記者から
「一言で言うと否定的」というような感想が相次いだことからも明らかだ。

https://www.itmedia.co.jp/business/spv/1811/20/news057_4.html

 『なお、ILC計画への予算投入が他の科学技術・学術分野に影響を及ばさないように、「別枠の予算措置とする」との議論があると聞いている。
(中略)仮にも「別枠予算」という位置づけが、学術コミニティにおける批判的検討の機会をバイパスするようなことにつながるとすれば、日本の学術全体にとって、
そしてILC計画自体にとっても不幸なことである』

 とって付けたような記述だが、実は検討会の皆さんが一番言いたいことはこのあたりのような気がしてならない。
いずれにせよ、このような不平不満感丸出しの人たちに、「意義」を審議せよ、といくらお願いしても、結局のところ、限りあるカネを奪い合う「パワーゲーム」に
流れていくのではないか。

 研究者の皆さんで丁々発止やるのも結構だが、年間数百億円のカネを払うのは我々国民である。にもかかわらず、国民の間ではILCに関しての認知は進んでいない。
マスコミの友人たちに話しても「何それ?」と言われる始末だ。

 「ねたみ」や「そねみ」のないフラットな人間たちの間で、本当に実現できるのか、安全性はどうなのか、そして、ILCでどういう未来を描きたいのか、という建設的な
議論もそろそろ始めるべきではないのか。