>>10の続き
潜水艦は窓がないため日差しもなく、二酸化炭素の濃度が高く酸素が不足している。
潜水艦内部の振動と騒音で心理的ストレスは大きく、心血管疾患の発病も心配される。

匿名を求めた潜水艦乗組員は「西海(黄海)は水深が浅いため漁船と衝突する危険もある。
東海(日本海)は水深が深く、沈没すれば救助が難しい」とし「生きて帰ってくるという保証がないため『潜水艦は信仰』という考えで出動する」と苦衷を吐露した。

潜水艦勤務は厳しいという声のため教育生の募集も難しい。 昨年、潜水艦勤務を志願した将校と副士官は計116人と、必要人員176人の65.9%にすぎなかった。
将校を除いた副士官の志願率は58.9%に落ちる。潜水艦の乗組員は将校と副士官だけが可能で、一般兵士はいない。
潜水艦勤務はこのように厳しいが、手当は一般水上艦とほとんど変わらない。 潜水艦の航海手当は一日1万ウォン(約936円)、水上艦は9000ウォンだ。

国防部は潜水艦の人員流出を防ごうと手当を一日1万ウォンから3万ウォンに引き上げることを政府に要請した。
しかし公務員手当を決める人事革新処は「他の公務員、軍将兵との公平性もあり、一度に大幅な引き上げはできない」とし
「従来の1万ウォンの10%に該当する1000ウォンだけ引き上げることができる」という立場だ。

一日の手当1000ウォン引き上げなら、潜水艦の乗組員は年間18万ウォン多く受ける。
年間手当18万ウォン増ではつらい潜水艦業務を志願する人は増えないというのが国防部の立場だ。
国防部の要求通り2万ウォン引き上げる場合、潜水艦乗組員は年間250万ウォンほど多く受ける。

これに必要な追加予算は年間計18億ウォンだが、これは2021年国防予算総額約53兆ウォンの0.0003%水準。参考に魚雷1発の価格は20億ウォン前後だ。
軍関係者は「このような処遇なら原子力潜水艦を建造しても潜水艦に乗るという海軍将兵がいないため出動もできないだろう」と訴えた。