究極の「使い捨て」H3ロケットは世界の潮流から取り残されるのか
松浦 晋也 2020.11.18
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04806/
スペースXが回収・再利用に進む判断をした背景には、同社CEOであるイーロン・マスク氏の
「ロケットのコストは本体製造がほとんどで、推進剤のコストはごくわずかでしかない。
だから本体を再利用すべきだ」という原理原則に立ち戻った思考がある。
H3をはじめとする日本の宇宙輸送系の未来にとって、競合機として意識すべきは
ファルコン9ではない。ファルコン9は現行の「ブロック5」で開発を終え、後は運用実績を
積み重ねるだけ。意識すべきは、スペースXが現在開発している大型ロケットのスターシップだろう。
ラプターがLE-9と異なる点は大きく2つある。1つは、推進剤が液体酸素・メタン(ラプター)と
液体酸素・液体水素(LE-9)である点。もう1つは、燃焼サイクルとしてフルフロー2段燃焼サイクルを
採用している点だ。
LE-9の主燃焼室圧力は10MPa(100気圧)だ。これに対してラプターの主燃焼室圧力は、
その3倍の30MPa(300気圧)もある。主燃焼室圧力が高いほどロケットエンジンの性能は向上する。
副次的に燃焼室は小さくなり、エンジンは小型化される。
さらには小さくなった燃焼室は、高い燃焼室圧力でも壊れにくくなる。

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高価なラプターエンジンは回収して再利用しないと価格を下げられないのでわ