初期の戦闘機であるフランスのモラーヌ・ソルニエ戦闘機は、機首に機関銃を積み、プロペラに跳弾版を取り付けることで「プロペラを通して機銃を発射できる。もしプロペラに当たっても跳弾版で弾くから大丈夫」というもので、
パイロットに当たらないように前面風防は防弾ガラス製だったそうですが、たとえパイロットは防弾ガラスで守れても、機体に当たったら当然機体に穴が開くと思います。
主翼の上面からは操縦のために翼を動かすためのワイヤが何本も張ってありますし、これもまたこれに跳ね返した弾が当たったら一大事なのではないでしょうか。

実際にはそれ以前に飛行機としての設計に問題があったので、すぐに使われなくなってしまったそうですが、上に挙げたような問題(パイロット以外にも機体や重要部分に当たったらどうするのか?)はどう考えられていたのでしょうか?
確かに、パイロットを直撃されたら一巻の終わりですが、パイロットが無事でも操縦系統や燃料タンクに当たったりしたら、やはり一巻の終わりという気がするのですが・・・。

それと、この「プロペラに当たっても防弾板で弾けばいい」方式、実用性はどのくらいあったのでしょうか。
危険性はともかく、「機関銃をプロペラの後ろからプロペラを通して撃つ」ものとして、ちゃんと前に連続して撃てた(弾が連続して飛んでいった)のでしょうか? 余計なものが付いている分、プロペラの効率が低下する気がしますし・・・。
登場後すぐに機銃同調装置が普及してしまったので、この方式はほとんど使われなかったそうですが・・・。