同じ造船官でも松本氏は「戦艦大和設計と建造」の中で、武蔵は掠り傷の累積で沈んだように評価し、
牧野氏は重要区画にも浸水しているとやや厳し目に指摘しています。
 このお二人は「護衛艦技術研究会」でも戦時中の水中被害についてやりとりしていて、
松本氏が生還した艦の損害状況を公表した際に、牧野氏は私信として生還できなかった多数の艦についても検討しなくてはいけないとアドバイスを送っています。
牧野氏の方が慎重な性格なのかも知れません。

 話は変わりますが松本本の46cm砲の反動の件、たぶん計算合いそうです。
 本の説明は不足しているのか、或は校正などで削られた結果意味が通りにくくなっているように思われます。
 恐らくあの数字は2門の数字ではなく各砲塔2門計6門の数字であるすれば砲の耳軸における力の第1近似式で妥当な値になります。
 とすれば、編者注での9門発砲が出来ないというのも誤読である可能性が大です。