>>614>>619
 たまにしか来ないので遅くなってすみません。

 私も以前「戦艦大和その生涯の技術報告」(「設計と建造」の事実上の原本)で同様の記述になっていることを確認していますので、
説明が不足しているか校正で削られてしまったとしたら原本の段階です。
 同書が旧造船官からも高い評価を与えられていたことは承知しておりますが、
それらの方達は松本氏が何を言いたいのか言葉足らずの説明でも理解していたからと考えます。

 砲の耳軸における力の第1近似式は砲についての代表的な式の一つで
戦後の戦車設計でも発砲の衝撃に耐えるための計算として用いられていたようですが、簡単にご紹介すると以下となります。
F=(Wp*Vp+Wc*Vc)^2/2*g*Wg*L

Wp弾丸重量 単位lbs
Wc発射薬重量 同上
Wg後座重量 同上
Vp弾丸初速 単位ft/s
Vc発射薬ガス速度 同上
L後座長 単位ft
g重力加速度 単位ft/s^2
F平均反動力 単位lbs
 
46cm砲の数値は幸いにしてVc以外は市販本からも得られるので、
Vcを資料で例に挙げられている戦後比較的早い時期の某戦車砲の発射ガス速度である4700ft/sと仮定して
計算すると1門あたり約591.7t。6門だと3,550.2tと松本氏の数値に非常に近い値を示します。
 逆に松本氏の数値3,468t(1門約578t)に合わせるとVcは4,525ft/sということになります。当然4,700ft/sと近い。