「野党議員は自宅待機 自民党議員は無症状即入院」ツイートは不正確 (毎日 1/26)

新型コロナウイルスに感染した国会議員9人のリストを示し、自民党議員が無症状で入院しているのに野党議員は入院できないと対比させた
ツイートが広く拡散している。

しかし、実際には入院した野党議員もいるほか、発熱して入院した自民党議員もおり、このツイートは不正確だ。【大野友嘉子/統合デジタル取材センター】

・1万3000件のRT 2万2000件の「いいね」
このツイートは、23日に「きじにゃあ(哲学猫)」というアカウントから「こういうことも次の選挙まで忘れたらあかんな」というコメントつきで投稿された。
25日午後6時現在、1万3000件以上リツイート(RT)され、2万2000件以上のいいねがつく異例の拡散ぶりだ。
(中略)
・「上級国民」への疑念が陰謀論を招く
冒頭のツイートをめぐっては次のようなツイートが相次いだ。
<自民以外は皆、平民 今の日本はそんなもんです>
<#打倒上級国民 一般人の感染者は入院先が見つからずに自宅待機なのに、無症状の自民党議員だけが即入院できるのか>

「上級国民」は、2019年に起きた東京・池袋の車の暴走事故で、運転していた旧通産省工業技術院長が逮捕されなかったことをきっかけに広く使われる
ようになった言葉だ。
今回のツイートが拡散した背景にも同じ流れがあると五野井郁夫・高千穂大教授(国際政治学)は指摘する。
森友・加計学園や「桜を見る会」などの疑惑を例に挙げ、こう分析する。
「安倍政権下で政権に近い一部の人が優遇されているのではないかという疑念が人々の間で生まれたのではないでしょうか」
(中略)
「石原氏が優先的に入院できたかどうかは今後、検証されるべきことです」と五野井氏は指摘した上で、誤った情報の拡散に警鐘を鳴らす。
「自分の信じたいものだけを信じる傾向がネットの普及とともに増幅されており、その現象の一つといえます。
事実に基づかないで批判するのは陰謀論ともいえ、危険です」
https://mainichi.jp/articles/20210126/k00/00m/040/034000c