>>562
科挙は必ずしも非実用というわけではありません。
中華帝国の基本理念は「一君万民」で、
皇帝一人以外は全て民(奴隷的一般人)なわけです。
しかし現実問題、皇帝一人で広い中華帝国の統治は出来ませんから
民から選抜した「官」(=臣)を使って統治するわけです。
この選抜試験が科挙。

ですから科挙が求めているのはクローンのように同じ知識
同じ教養を持った行政官なわけで、
だから試験内容は脳内に現役官僚と同じインデックスを持っていることを
証明するための極力引用を点綴した均質的で形式的な文書を
あらゆる方面で書くことなわけです。

ですので中華官僚は安定期に中華帝国を安定的に運営するのには
有能なのですが、官僚支配が想定外の難局に対し無能であるのは
これまた世界的定理であるので官僚に全振りした中華帝国は
たまさかの危機で何度もあっさり滅ぶことになるのです。
自然災害の多い本邦が科挙制度の導入を検討すらしなかった
根幹でもありますね。