>>411
ブルースターSB2Aは試作の段階だと480km/h以上の最高速度の出せる高速機だったけど、量産化にあたって
*爆弾搭載量の増大
*固定武装の強化
*防御能力の充実
を加えたら約1.4トンも重量が増加して、発揮速度と航続距離が1割以上落ちた。
「この要求するならもっと強力なエンジンください」と要望したけど却下され、仕方ないので動力銃座を廃止して普通の手動旋回銃架にして、固定武装も試作の段階に戻したけど、速度性能も航続距離も大して向上しなかった(元には戻らなかった)。

生産が全然はかどらないので最初の発注分を生産し終わった頃にはSB2Cが大量に配備されてたので行き場がなく、アメリカ以外の発注はほぼ全部キャンセル、イギリスに送ったものも「今更こんなものはいらん」ということですべて訓練用になり、米英共に大半は「訓練用としてもいらん。欠陥あって危険だし」となって飛ばさない地上教材として使われた。
それでもメーカーは戦争の間中遅々と生産していた。
そして戦争が終わってしまったので最終ロットの機体は引き取られずに向上からロールアウトして即スクラップ工場行きに。
終戦の直後には「納入されたけどいらない」ものが基地の敷地の隅に野ざらしになっていたとか。

でもじゃあ競作機のSB2Cが高性能だったか・・・というとそんなこともなく、かの岡部ださく(いさく)センセが本に書いたように
「アメリカならSB2Aの方を使ってても戦争に勝てた」
とは思われ。

納期を守ることはなにより大切だ、と知らしめてくれる機体ではある。