ひとつはF-1自体が3500時間しか寿命がなくて、1990年には減勢が始まるから。そうじゃなくてもMk.104ができたあたりの空自は、F-15を年に30機のペースで調達したと思ったらMISPを100機おかわりし、E-2Cの配備が始まり、BADGE改に防衛マイクロ回線という大型契約に加え、90年代に向けてナイキの更新とFSXが控えていた。
Mk.851のTBOが1200時間だから、Mk.104が同じとしてオーバーホール1回、せいぜいが2回で載せる機体が用途廃止なのに「寿命が短いF-1のエンジンを大枚はたいて換えるとちょっといい気分で飛べます(キリッ」なんてものには大蔵省や内局どころか制服組さえ価値を見出していなかった。

そしてもうひとつは、そもそもがMk.104の性能向上がF-1にとって意味がないから。Mk.104はMk.102(Mk.801A)よりもアフターバーナー出力が離陸時で10%向上するというものだったが、逆に言えばアフターバーナー推力しか向上していない。ジャギアは最大離陸重量でも兵器搭載量でもF-1より2トン大きいし、空中給油もできる。A/B焚いて兵装鈴なりで離陸することにも意味があるが、空中給油もできなければ搭載量も小さい(そして荷物が決まっている)F-1はそんな使い方はできない。
ジャギュアみたいに翼内タンクがあるわけでなし、低空を省燃費で飛ぶためにアドーアを採用しているのに、ただでさえ少ない搭載燃料をA/Bでばかすか焚けるわけがないのだから、Mk.104に替えるメリットなんて無い。

Mk.106があっただろ、というのはそれこそ時系列を無視したもので、これはアドーアのノンアフターバーナーバージョンのMk.851を改良したMk.861、更にそれを改良して851より推力を1割増やしたMk.871があって、それにアフターバーナー付けたものとなる。Mk.871(F405-RR-401)を搭載、グラスコクピット化したT-45Cゴスホークの納入は1997年から。ジャギアがMk.106を搭載したのは1999年だ。

×ま、事実や現実を見ない荒らしは放っておくか
○事実や現実を見れない俺をほっておいてくれ

現実は尿もれの敵みたいだけど、ポリデントは現実に存在しない「アドーアの悲劇」とやらの説明できるの?