「スプルーアンス長官の用心深い戦略に非難が起った。
 非難は、とくにアメリカ海軍の航空関係者」

「13 非難されるスプルーアンス top

 戦争全期間中、最大規模で、もっとも決定的な海戦の一つが終った。
 日本艦隊の大部分を、撃破もせずに逃がしたという

スプルーアンス長官の用心深い戦略に非難が起った。
 非難は、とくにアメリカ海軍の航空関係者

の間から起った。
 彼らはハルゼー提督だったら、もっと勇敢な方法でやったろうと、まじめに考えていた。
 しかし、その方が、よりよい成果をあげたかどうかとなると、疑わしい。
 もし、最初の空母間の戦闘で、双方が同時に攻撃をかけたとしたならば、もっと多くの日本軍の艦を沈没させることはできたろう。
 しかし、米軍がうける損害も、また大きかったに違いなかった。
 スブルーアンスは、実質的には奇跡にひとしいほどの僅かの犠牲で、日本の航空兵力を一掃し、このような大勝利をおさめたのである。「瑞鶴」「隼鷹」「千歳」「千代田」[瑞鳳」[竜驤」は逃したが、日本軍は、この海戦で失なわれた空母パイロットの養成は、とうとうできなかった。
 最後の一戦がきたときには、生残った空母はすべて“キバのない虎”となっており、いけにえのオトリとして、日本の伝統的戦略に奉げられたのであった。」

下記、空母の歴史――日米機動部隊の激突を参照ください。

ttp://ktymtskz.my.coocan.jp/J/aircraft/aircraft10.htm