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クレフェルト「補給戦」は、あくまでも当時の状況を絶対のものと捉え、それをベースに補給の可能性を論じたものです。
これは「歴史的事実」を重視する歴史家としては当然です。

が、軍事は学だけではなく、術の側面が存在します。
この方面、クレフェルトは全く論じていません。

当時の状況は絶対

本当にそうでしょうか?
補給を最重要として状況を作為する。

その視点は「補給戦」には存在しません。
なので、補給戦の論考は重要かつ歴史的には正しいのですが、それを全面的に信用し受け入れるのは危険。

これらの論考を参考にしつつ、そうならないように状況作為を含め考えなくてはならないのです。

(ロンメルの攻勢を遅らせ、先にマルタを落とした場合というのは可能性はあっても実際に行われなかったから論考されていないのですよ)