>>428
太平洋戦争前に軍と政府が考えていた「帝都空襲のシナリオ」では、敵機は
*マリアナ諸島の米軍基地から飛来
*フィリピンの米軍基地から飛来
*ウラジオストク近郊のソビエト軍基地から飛来
の3つ。
そして開戦後は
*日本の沿岸領海に侵入した航空母艦から発進して飛来
というのも検討対象に入れられた。

しかし、いずれも帝都上空に侵入して爆撃コースに乗るまで発見も迎撃もできない、とは想定されてないので、そういう意味では空襲を恐れる危急の必要性はないとされていた。
また、開戦直前までに大まかに掴んでいた「敵機」(連合国、特にアメリカの長距離爆撃機)の性能からは、本州の大半は爆撃可能範囲に入るとみなされていたし、それより遠くになると今度はソビエトに近すぎるので、「首都移転させて安全」な場所はない、という判断だった。
だからフィリピンは開戦劈頭先制爆撃して真っ先に攻略したし、マリアナ諸島は「絶対国防圏」と位置づけてたわけだ。

なお昭和17年春の帝都初空襲でも、敵機動部隊そのものは東京空域に侵入する前に事前に発見はできている。
「空母に無理やり爆撃機積んで発進させる」とは思ってなかったので、情報としてあるアメリカ軍艦載機のデータを元に発進地点の距離を算定して到達時刻を計算したから、実際の来襲時刻とは外れてしまっただけで。