>>516
「とてもエラくて特別扱いで、雲の上のような人」って、今でも神様みたいな扱いなわけですよ。
アナタにも、よく考えてみたらそういう人(一応自分が属してる学校なり企業なりの、とってもエライ人)がいるはずです。
でも、その人の事って、よく知らないし、写真すら見た事ないかもしれませんよね?

当時の天皇は「写真を撮っちゃいけない」までは無いものの公開してよいものではないですし、肉声に至っちゃ録音もタブーという特別扱いです。
だから玉音放送で多くの国民は天皇の声を初めて聞いたわけですが、「なんかカン高くて抑揚も変な声」という感想も残ってます。

で、「軍曹以上は神同様の扱い」ってのが、「神同様」ではあるけど、「神そのもの」じゃないって、アナタも気づいてるわけですよ。
つまり、「天皇は神じゃなく人間なんだけど、人間としての天皇というより、天皇という"玉座"に対して敬意を持っている」のであって、それは今でも同じです。
だからこそ、天皇以外の皇族は、割と普通の人扱いされてるわけでして。

では「天皇という"玉座"」とは何かと言えば、「国体」と表現される事があるほどで、「日本という国そのものを具現化したもの。」と言えます。
でも天皇って制度と玉座だけあったんじゃ、崇める対象に困るんで、依代みたいな形で「人間としての天皇」がいます。

ただし、あからさまに「天皇も役割果たしてるだけの人間じゃん」と言い切っちゃうと軽すぎて崇める気が起きませんから、戦前は「天皇機関説」と呼ばれてタブーでした。
それが戦後は「象徴天皇制」という形で、オープンに認められたと。

他の国で言えば、国に対する忠誠、王に対する忠誠、アメリカなら大統領命令みたいなもので、何も日本人が特別ってわけじゃないんです。