固体燃料式のロケットは後から出力の調整がし辛く、基本的には製造段階で決まってしまう。これは、燃料に開けられた筒状の空洞=燃焼室が出力を決めてしまうため。

例えば打ち上げ直後は燃焼室の断面を星型にして、固形燃料の燃焼面を増やし(少しでも早く、空気密度の高い低空を離れる方が、結果的には燃料を節約できる)、
一定の高度からは断面を円形にして燃焼面を最小にして巡航に入るといった具合に。

その調整はロケットの航路、つまり地球その他の星が一定の配置になっている時に合わせており、天候などで中止されたら何ヶ月も、時には年単位で待たねばならない。

なのでイプシロンに限らず固形燃料ロケットは、基本的にはワンオフ品になるし、時には長期保存が不可欠なため、最初からそのように設計されている。