「アメリカがロシアに急接近」
中国を抑え込む「共通の敵」戦略のゆくえ
https://news.yahoo.co.jp/articles/888db8ce4a5db1a0ed4ddf72dccb4f78534cad96

今から約50年前、アメリカで1969年にはじまったニクソン政権にキッシンジャーという大統領補佐官がいました。
ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
そんな彼がある1つの戦略的転換を思いつきます。

当時、冷戦下でアメリカとソ連はぶつかっていましたが、ソ連と中国は同じ共産主義で仲良くやっていこうとアメリカを敵対視していました。
そこにキッシンジャー氏は、極秘に中国を訪れて当時の周恩来首相と会談。
その翌年にニクソン大統領の訪中を実現させました。

つまり「ソ連と中国」対「アメリカ」を、「ソ連」対「中国とアメリカ」にして、ソ連と中国を分断させようとした。
敵の大国が2つとも戦いをけしかけてきたらまずい、どちらかを味方に引き入れようとキッシンジャー氏は暗躍したわけです。
実際、それが功を奏して、1988年ごろからソ連は崩壊に向かっていきました。

今、アメリカがロシアに急接近しているのは、このときの成功体験があったからです。
「俺たちはユーラシア大陸の陸の大国を二分割することで勝てたんだ」と。
だからロシアを海側に引き入れて、中国を孤立させようとしているのです。

今はとにかく人口も多くて力があるのは中国。
アメリカからすると、ロシアは人権侵害をしていたり、他国にスパイを送り込んだり、不信感もあるけれど、
中国をなんとか押さえ込むためにはロシアの力が必要なのです。