「兵器に対しては、ソ連軍の用兵思想に合うものが少なく、その評価は極めて低い」!

「第二次大戦中、アメリカはレンドリース法により、ソ連に大量の軍事援助を行いました。
アメリカのみならず、自らドイツと戦っていたイギリスも行いました。
・・・・が、ソ連はあまりこれを評価していません。

まあ、労働者と農民の国が資本主義国の助けを得て大祖国戦争を勝ち抜いた、と積極的に認めようとする動機があるとは思えないし、その後の冷戦を考慮すれば当然といえば当然です。

ソ連では、レンドリース法で英米から送られた、英国製マチルダ、バレンタインなどを砲塔が小さく、40mm砲程度までしか搭載できず、ドイツ戦車には対抗できず、駄目で、M4シャーマンには期待したが、キャタピラ幅が狭くロシアの雪解け・泥濘では役に立たずこれまた駄目戦車と決め付けております・・・が、英米それぞれ理由があってそのような戦車を作っております。
英国では歩兵戦車に対して、敵戦線突破後に戦果を拡大するための巡航戦車としてバレンタインなどを開発しましたが、この戦車は性質上速力が重視され、必然的に軽量化が求められました。
シャーマンは輸送船で島嶼部や大陸まで輸送することが前提条件でしたから、キャタピラ幅を絞ったのは当然で、これまた理由があります。
但し、「シャーマンは燃費が悪すぎる」という批判は、言い訳できないかな。(シャーマンのエンジンは航空機用の転用で、因みにM1A1も航空機用ジェットエンジン(つまり、ガスタービンエンジン)の転用だそうな。)

ちなみに、イランイラク戦争でも、イラン軍のチーフテン戦車のキャタピラの幅が狭く、砂漠で足を取られてしまったのに対して、イラク軍のソ連製のT-72は雪解け・泥濘対応が砂漠にも適応し、イラン軍戦車に対して優勢を保ちえたそうな。

それから、ソ連は独ソ戦の最中に英米から多大な武器援助を得ましたが、前線で使う

兵器に対しては、ソ連軍の用兵思想に合うものが少なく、その評価は極めて低い

ようです。

但し、P40ウォーホーク、P39エアラコブラ、ホーカー・テンペストについては速力の点である程度評価していた模様です。
P39によるエースもいるようで、全く役に立っていないようではないらしい。」