目から棘ではなくウロコだったので
優秀なですが民には今更かもしれませんが

@AtsukoHigashino
昨日のこの記事、お勧め。
とくに宇山先生のインタビュー部分は非常に勉強になります。

「ウクライナやジョージアは、欧州人意識を持っている、あるいは欧州人になりたいと考えている。またNATOに接近している。だからロシアは罰を与えたい。一方、中央アジアでは中国の経済的な影響力がいくら強くても、そこに住む人々が中国人になりたいわけではない」

結局この点が極めて重要。
さらに踏み込むと、「欧州人になりたい」という意識は外部(ロシア)からの圧力で変化しうるものでもなく、それが今日の問題をここまで拗らせているとも言えそうです。

「中ロの対立につけ込んで日ロ関係を良くできるというのは完全に間違った見方です。ロシアにとって中国はものすごく重要で、日本の比ではない。欧米中心の世界秩序に対抗するうえでも中国は頼りになるパートナーです」

…この点も重要です。
こうしたごく当然の指摘(ロシアにとって中国のほうが日本より大事)を、一般的な日本のロシア研究者は(日ロ関係だけを文脈から切り取って眺めすぎてきたため)あまり表立って表明してこなかったのではないでしょうか。

またここからすると(文脈と意味合いは大きく異なりますが)、「ロシアと米欧が対立しているあいだに日ロ関係をよくしておこう」という、残念ながらこの期に及んでもよく目にする議論もまた、ロシアがどの国や地域をどのように重視しているのかを度外視した、いい加減な議論ということになりそうです。

一方、トレーニン氏は、「米国や同盟各国は冷戦後、NATO中心の安全保障体制を構築しました。ロシアはソ連の敗北を認めましたが、誰の『ジュニアパートナー』にもならず、そこに入ることを許されませんでした」という、お約束の議論。

「ロシアは西側コミュニティに入りたかったのに、西側はロシアを受け入れなかった」というのは、いまだにしばしばロシア関係者から聞かれる言説ですが、
NATO・ロシアのパートナーシップしかり、EU・ロシアの「4つの共通空間」構想しかり、NATOやEUが提示した様々な関係強化策を、「こんなのショボい」とばかりに軽視・却下してきたのはむしろロシア側だったのでは。

もちろん、究極的にロシアが何を求めているのかを十分に見抜けず、また見抜こうともしなかったEU・NATO側にも問題はあったのですが、
ロシアが「入ることを許されなかった」と言い続けるのも少々一方的かと。