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 機体をとらえた動画や王氏のコメント、軍の沈黙も重なり、メディア各社はここ数日
こぞってこの問題を報道している。ソーシャルメディア上でも議論が活発化しており、
強引さを増す専制主義の中国に台湾は対処できないのではないかとの不安が広がっている。

 中国共産党の指導部は台湾を自国の領土とみなしており、必要なら武力での統一も
辞さない構えを示している。台湾と米国が関係を深める中、中国人民解放軍(PLA)は
ここ2年、ほぼ連日にわたり軍用機を台湾領空に近接した南西の空域に送り込んでおり、
台湾当局者は「グレーゾーン」の戦争行為だと話している。

 機体通過の数時間後から、プロの専門家や軍事関連に詳しいアマによる動画の分析が
相次ぎ、中にはドローン(小型無人機)だったとの臆測も流れた。
立法院(国会)の国防委員会のメンバーでもある王議員は機体を「運12」と特定した。
運12は多用途ターボプロップ輸送機で、PLAが過去にパラシュート訓練で用いている。

 軍事専門家はこの小型機はほぼ確実に中国のものだとの見方を示している。
東引島は台湾当局が設置した「飛行禁止区域」の一部で、
このような小型機が遠方から領空に入る確率は比較的低いためだという。

 中国民用航空局(CAAC)と北京の国務院台湾事務弁公室はコメントの要請に応じていない。