>>567
海軍でも陸軍でも、軍隊は戦争に勝つために存在している
戦争に勝つためには、敵国の戦争遂行能力を潰すこと、具体的には生産拠点、物流拠点、軍事拠点を破壊することが必要
非人道的にやるなら、大都市の民間人を無差別に殺戮すれば、敵国民から敵政府への反戦圧力も期待できる

敵国の戦略拠点への攻撃は、なんと言っても航空攻撃が第一選択なので、まずは戦略爆撃の拠点になる飛行場を行動半径内に確保する必要がある
太平洋戦争ならマリアナ諸島
島嶼を確保するためには敵前強襲上陸が必要なので、それを可能にしたのが海兵隊で、上陸を妨害する日本艦隊を排除するのが米海軍の役割だった

で、マリアナを獲るための道のりの一歩が、43年11月のギルバート諸島上陸で、空母や戦艦による海軍の支援が不可欠だった

資源など戦略物資は海上輸送が主なので、この破壊は海軍の出番になる
潜水艦による通商破壊が典型的だが、対日戦においてより根本的には、フィリピン占領による南方と本土間の資源輸送遮断
蘭印やシンガポールなどを攻撃せずとも、輸送ルート上のチョークポイントを押さえれば目的達成
その意味、フィリピンでも台湾でもどちらでもおk
だからアメリカはどっちにするか直前まで決めなかった
戦勝という戦略目的達成のためにはどちらでもいいからだが、いずれにしてもフィリピン上陸の妨害排除に米海軍は活動した

要するに、一回限りのイベントとしての海戦に勝った負けたではなく、戦勝というゴールに至るシナリオ進行上、ターゲットエリアを継続的に支配できるかどうかに意味がある
戦艦の貢献でいうなら、上陸の火力支援、上陸部隊の直衛、敵艦隊が出てきたら妨害排除としての水上砲戦をやるのであって、WW2においては決してドンパチが戦艦の本業ではない

「制海権」という言葉をどういう意味で使っているのか知らないが、単に海戦というその場限りのイベントで戦術的に勝つだけでは自己満足以上の意味はない
一国の軍隊としてあまりにも低レベルで、戦艦強いぞカッコいいぞの男児なみ
海戦あって戦略なし、海軍あって国家なしで終わる