ハンヴィーは、派生型や改良型など含め、総生産数は約30万台、敵対勢力による鹵獲
再使用を含め世界50か国以上で使用されるまでに至っています。
軍用4WD車における事実上の世界標準(グローバルスタンダード)になったとの見方も
あり、それゆえに、その後継となるとなかなか難しく、アメリカ陸軍も難儀しています。

2010年頃にはJLTV(Joint Light Tactical Vehicle:統合軽戦術車両)と呼ばれる後継車種
の開発・選定に着手。極力コンパクトにしたとはいえ、車両重量は約4.7tもあり、それでい
て乗員数は4名のみで、空輸などを含めて汎用性という面では、ハンヴィーを全面的に置
き換えられる車両ではなかったといえるでしょう。
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国防総省・アメリカ陸軍とも、のちにすべてのハンヴィーをJLTVで更新することは諦めてい
ます。こうして、空輸可能な軽量汎用車両として改めてトライアルが実施され、2020年に
採用されたのがISVというわけです。
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さらに難儀しているのが陸上自衛隊。V-22「オスプレイ」を配備したものの大型輸送ヘリ
コプターCH-47J/JA「チヌーク」よりも機内は狭いため、既存の「高機動車」や「1/2t小型
トラック」などを収容することができません。
そこで白羽の矢が立ったのが、カワサキモータースの「ミュール」でした。ポラリス社製の
「MRZR」などと試験した後、「汎用軽機動車」として採用されました。
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