https://www.nytimes.com/2022/03/16/us/politics/russia-troop-deaths.html
アメリカの情報機関の推計によると、控えめに見積もっても、ロシア軍の死者は7000人以上となり、イラクとアフガニスタンで20年間に死亡したアメリカ軍の数を合わせた数よりも多いのである。
米国防総省によると、10%の死傷者が出ると、その部隊は戦闘に関連した任務を遂行することが出来なくなるという。
現在、15万人以上のロシア軍がウクライナ戦争に参加しており、推定1万4000?2万1000人の負傷者を含めると、ロシアの死傷者はこのレベルに近いといえる。
その結果は、バイデン政権の高官たちが毎日読んでいる情報報告書に表れているという。
最近の報告書では、ロシア軍の士気の低さに焦点が当てられており、兵士が車を止めて森の中に入っていく様子が描写されている。
匿名を条件に語ったアメリカ政府関係者は、ロシア軍の死者数は正確ではないと注意を促した。
ニュースメディアの分析、ウクライナの数字(高い傾向があり、最新の数字は13500)、ロシアの数字(低い傾向があり、最新の数字は498)、衛星画像、銃撃を受けたロシア戦車や軍のビデオ画像を慎重に吟味して作成したものである。
アメリカの軍事・情報当局は、例えば戦車に通常何人の兵士が乗っているかを知っており、そこから例えばジャベリン対戦車ミサイルが装甲車に命中したときの死傷者数を推定することができる。
この死傷者の多さは、ロシアが誇る戦力がウクライナの首都キエフ郊外でほとんど停滞したままであることを説明するのに十分である。
「このような損失は士気や部隊の結束に影響する。特に兵士たちは自分がなぜ戦っているのか理解していないのだから」と、オバマ政権下でロシアとウクライナ担当の国防総省高官だったイヴリン・ファルカス氏は言った。
「全体的な状況認識が低下する。誰かが運転しなければならないし、誰かが撃たなければならないのです」。
しかし、「それは陸上部隊の話だ」と付け加えた。ロシアの地上軍が混乱しているため、プーチン氏はますます空に目を向け、ウクライナの都市、住宅、病院、学校まで攻撃するようになった。
この空からの攻撃は、地上でのロシア軍の劣勢をカモフラージュするのに役立っている、と関係者は言う。