プーチンもこれぐらいの手のひら返しを受けて欲しいね

一見盤石な支配体制を築いていたと思われていたチャウシェスクは、この逃亡劇においても多くの裏切り行為に遭った。ヘリコプターのパイロット、マルタン中佐は、わざと機体を上下に揺らして「レーダーに捕捉され、対空砲火を受けた」と嘘をついて夫妻の逃亡を諦めさせようとした。やむなくヘリでの逃亡を諦めたチャウシェスクは着陸させ、陸路での逃亡を試み、たまたま自動車を運転していた地元の医師ニコラエ・デカを脅し逃亡を手伝わせた。しかし、革命を知っていたデカは面倒ごとに巻き込まれたくないとエンジントラブルを装いすぐに一行を降ろした。再び一行は車を洗っていた工場労働者のニコラエ・ペトリソルを脅し、南部の都市トゥルゴヴィシュテへ向かわせた。車中のチャウシェスクはカーラジオで情報収集を試みたが、既にメディアが救国戦線に乗っ取られたことを悟ると激高したという。ペトリソルは街の外れにある農業施設まで彼らを案内した。施設の所長は匿うふりをして一行を一室に案内して監禁し、近くに駐屯していた国軍(デカの通報を受けて既に情報をつかんでいた)に身柄を引き渡した。[2]