>>976の続き

実際、南雲機動部隊も6月1日から濃霧海域に入ったため、
航海速力を9ノットまで落としています。

一般に霧中航行時は衝突を避けるために、速力を落として単縦陣となり、
前続艦が曳航する霧中標的を目印に、後続艦は追突しないように慎重に航行します。

さらに変針するとなると、探照灯やサイレンを鳴らして合図を送るなど
大変な苦労を伴います。

6月3日は「海上濃霧のため10メートル先も見えず」言われるほどの濃霧だったため、
探照灯による合図も不可能で、電波を出すという苦渋の決断を迫られたほどだった。

「もっとも、この濃霧の中の針路変更はかなり危険なもので、変針命令受信後の
行動開始のずれから、飛龍と後続の霧島が異常接近し、あわや衝突かと肝を冷やす
出来事が発生した」                (『飛龍天に在り』碇義朗/著)p313