現在、ショルツ氏の国家安全保障顧問を務めるイェンス・プレトナー氏は、ドイツ外務省の上級外交官として、当時のスタインマイヤー外相(社会民主党、現ドイツ大統領)の首席補佐官を務め、最近では同省の政治部長として、この政策の主要な立案者の一人であった。
12月にプーチンがウクライナ国境に数万の軍隊を集結させた後も、プレトナーはショルツにノルドストリーム2に固執し、「商業プロジェクト」に過ぎないという虚構を公に繰り返すよう助言していた。
プレトナーの古い上司であるシュタインマイヤーは、2016年にNATOが同盟の東側で軍事演習を行ったことを「サーベル・ラットリングと温情主義」と非難し、ウクライナ人に最初の銃弾が撃ち込まれるまでほとんど、ドイツはロシアとの橋渡しにエネルギーを利用すべきと主張していた。
大統領としてドイツの道徳的権威であるシュタインマイヤーは最近、ロシアとウクライナの音楽家を招いて「自由と平和」のコンサートを開くことで頭が一杯だ。(3月初旬、ハリコフに爆弾が降り注ぐ中、ドレスデンで行われたイベントもその一つだ)。
プーチンのウクライナ侵攻を招いた政策について、メルケル首相よりも責任は小さいが、ドイツ連立政権の小政党である自由民主党と緑の党も必ずしも栄光に包まれてはいない。
緑の党はノルトストリーム2に反対したが、それはウクライナとの連帯からというよりも、エコロジー的な理由からであった。より重要なのは、キエフへの武器輸出に断固として反対したことで、これは戦闘が始まってから変わったのである。
自由民主党はノルトストリーム2をどうするかで意見が分かれ、副党首のクビッキをはじめ党内の多くはロシアとの関与を強めることを支持した。メルニク氏によれば、自由民主党のクリスチャン・リンドナー党首(ドイツ財務相)は開戦当日、ベルリンがウクライナに武器を送ったり、ロシアを国際決済システムであるSWIFTから締め出すのは意味がない、なぜならウクライナの主権は「数時間」しか持たないからだと言ったという。
ウクライナの将来性に懐疑的なのはもちろんのこと、ロシアに強硬に対応した場合の結果に対する懸念は、主要野党であるキリスト教民主党(CDU)の多くも共有していた。ロシアが侵攻する数週間前、CDUのフリードリッヒ・メルツ党首は、ロシアをSWIFTから停止すれば「資本市場に原爆を落とすことになる」と警告していた。