こんな地域いる?
夕張市と変わらんのでは。

かつて、ドンバスは、ウクライナの国内総生産(GDP)の6分の1、貿易輸出の3分の1を叩き出す、ウクライナ経済を牽引する地域であった。その一方で、せっかく稼いだ富は、キエフや西ウクライナに流れている、というのが彼らの反キエフ的言説の根拠となっていた。

しかし、実際は異なる。

ドンバス炭鉱は老朽化し、国際競争力を失って久しく、政府の補助金で何とか生き永らえてきた。ロシア炭の2倍近い値段だったドンバス石炭の価格は、政府が半額負担することで、国内で消費されてきたのだ。

石炭産業への補助金は「エネルギー自給率の向上」として正当化されていたが、中央政界に巣食う強力な石炭ロビーの力も大きく作用した。こうした補助金漬けの石炭と、政府が逆ザヤで安く売る天然ガスを利用した鉄鋼の輸出がドンバス経済を支えていた。

ウクライナの旧ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ政権は、こうしたドンバスの石炭産業と鉄鋼産業を支持基盤としていた。現在の政権は、国際通貨基金(IMF)指導の下でリストラを推進中で、その過程で補助金を切られたドンバスは見かけ上の生産力を失っている。

もう1つは、年金生活者などの社会保障受給者の多さである。平時においてドンバス人口に占める高齢者の割合は全国平均を上回っており、特にドネツク州は率・数とにもウクライナ随一の高齢化地域であった。

 そのうえ年金の平均支給の平均額はウクライナで最も高い。