ソ連時代を念頭に置いた文章だろうけどちょっと面白い文章あった。
今も割と通じるなと
司馬遼太郎がモンゴル語学科出身だからそこからの発想になるのはわりひかなきゃいけないけれど



ロシアにおいて「タタールのくびき」という暴力支配が行われました。
これは被支配民族のロシア民族の性格に影響を及ぼすものでした。
キプチャク汗国はロシア諸公国の首長を軍事力で脅し隷従させ隷従させ農民から搾り揚げました
首長が汗国に少しでも抵抗の色があれば軍隊を派遣し街を焼き、住民を皆殺しにし、女を連れ去りました。
権力の実質は全て軍事力でした。

ヨーロッパを真にヨーロッパたらしめたルネサンスの200年という間ロシアは
タタールのくびきによって遮断され続けました。
(中略)
外敵を異様に恐れるだけでなく、病的な外国への猜疑心、そして潜在的な征服心、
また火器への異常信仰、それらすべてがキプチャク汗国の支配と被支配の文化的遺伝と思えなくはないのです。

司馬遼太郎「ロシアの特異性について」