戦争研究所(ISW) ロシア攻勢戦役評価 1700 ET 06.05.2022 /0600 JST 07.05.2022
https://twitter.com/GdPanzergraf/status/1522784823672143875
ウクライナ軍のハルキウ反攻の意味
この24時間で、ウクライナ軍はハルキウ市方面で反攻作戦を実施し、
同市の北部から東部にかけての弧状外周部でさらに領土を取り戻した。
今後数日中にハルキウ市への砲撃圏外へロシア軍を押し出せる可能性がある。

今回のウクライナ軍反攻作戦は、今までの反撃とは異なり、より広域な地域で実施され、
かつ成功を収めた点にその特徴がある。
以前行われたキーウ周辺の広域なエリアの奪還は、ロシア軍の撤退後に進撃するというものであったが、
今回のハルキウ反攻は実力でロシア軍を退かせた。

また、この作戦のために必要な兵力をウクライナが集結させた事実は、
現在進行中のロシアのドンバス攻勢に対して、ウクライナが増援を送る必要がないことを示唆している。

なお、今回の反攻作戦の成功が、イジューム方面につながるロシア軍GLOC(地上連絡線)を脅かす可能性は小さい。
下図にあるようにイジューム方面のロシアGLOCはドネツ川のさらに東にあるからである。

しかし、ウクライナの反撃成功によって、
・ドンバス攻勢用の追加増援兵力をハルキウ外周部防衛のために用いる
・増援兵力はドンバス攻勢に回し、ハルキウ市を砲撃する能力、ハルキウ州を通る連絡線をカバーする能力をリスクに晒す
という選択を、ロシアは検討せざる得なくなる可能性が大きい。

▼要点
ハルキウ市北部から東部にかけての弧状外周部で行われたウクライナの反攻作戦は、
さらなる領土奪還を成功させ、また数日中にロシア軍を同市砲撃範囲外へと押し出せる可能性も生じさせた。
本作戦実行のために必要な兵力をハルキウに集めたウクライナ軍の能力(と意志)が示唆するのは、
現在継続中のロシアの攻撃を現地の現有戦力で撃退できるというウクライナ側の確信である。

① ロシア軍はイジューム方面で何ら成果を出せなかった。

② この24時間で、ロシア軍はセベロドネツク市周辺で小さな領土を得たようだが、同市の包囲に成功していないのは間違いない。

③ロシア軍はアゾフスタリ工場への強襲を継続しているが、ISWでは何か重要な前進があったことを確認できていない。
加えて、ロシア支配へのマリウポリ民間人の抵抗が広がっていることで、マリウポリで戦勝記念日式典を行おうとする
既に発表されたロシアの計画は妨げられ続けている。

④この24時間、南部方面で主だった変化はなく、ロシア軍はその前衛陣地の強化を進めている。

⑤ “アドミラル・マカロフ”への対艦ミサイル攻撃報道に関して、この報告書を発表した時点で、ISWはその真偽を確認できていない。

トランスニストリア
ウクライナ参謀本部と同軍南方作戦司令部は、トランスニストリアでロシア軍が偽情報の拡散を含む煽動活動を継続している、と発表した。
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