ISW評価
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-may-13
ロシア軍は、ウクライナの反撃と限られた増援に直面し、ハリコフ市周辺の陣地から完全撤退することを決定したようだ。
ロシア軍はここ数日、一部の例外を除き、反撃してくるウクライナ軍に対し、基本的に陣地を確保しようとはしていない。
欧米当局者からの報告やドネツク人民共和国(DNR)将校のビデオによると、モスクワは秩序ある撤退を行い、
代理軍をロシアに入れる前にロシア人を帰国させることを優先し、市付近の陣地を維持しようとしていないようだ。

こうして、ウクライナはハリコフの戦いに勝利したように見える。ウクライナ軍はロシア軍のハリコフ包囲を阻止し、
キエフを占領しようとしたロシア軍にしたように、ハリコフ周辺からロシア軍を追い出したのである。ウクライナ軍は、
少なくともベルゴロドとイジュム周辺に集中するロシア軍との間の地上連絡線(GLOC)の最西端を寸断しようとするだろうが、
ロシアは複数のGLOCを使用しており、中にはウクライナの反攻がすぐに到達できそうもない現位置から遠く離れた場所もある。
また、ウクライナ陣地から東の地形は、大きな水路が動きを妨げ、ウクライナ軍が突破しなければならない隘路となるため、
GLOCを守ろうとするロシア軍に有利となる可能性もある。

ロシア軍は Izyum-Donetsk 市街地の周辺に沿って前進を続けたが、ほとんど進展がなかった。ロシア軍はイジュムから地上攻撃を試みたが、
進展はなかった。我々は以前、ロシアがイジュムからの進攻を諦めるかもしれないという仮説を立てたが、ロシアはそのような決定を下していないか、
まだ完全にコミットしていない。 ドネツク市近くの岬の南端への小規模で失敗した攻撃は続いたが、実際の進展はなかった。

ロシアの主な努力は、セベロドネツクとリシチャンスクを北と南から包囲する試みであり続けている。Popasnaから北に攻撃しているロシア軍は、
この24時間、目立った進展がなかった。北から南へ向かっているロシア軍はシバースキー・ドネツ川を渡ることができず、壊滅的な損失を被った。
ロシア軍はこれらの損失を補い、包囲網を完成させるのに十分な規模で攻勢を続けるだけの新たな戦闘力を持たないかもしれないが、
そのための努力は続けるだろう。

重要点
ウクライナはハリコフの戦いに勝利したようです。ロシア軍はKharkiv市周辺の北側入植地から撤退を続けている。
ウクライナ軍はイジュムへのロシア軍の地上連絡線を寸断することを試みる可能性が高い。

ウクライナ軍は、ドンバス北部に兵力を集結し、セベロドネツクとリシヤンスクの包囲を完成させるロシアの努力を弱め、
シバースキー・ドネツ川を力強く渡ろうとするロシアの試みを中断させたと思われる。

ロシア軍はアゾフスタル製鉄所の西側入り口付近の高速道路を確保したようだが、同施設をめぐる戦闘は続いている。

Zaporizhia州のロシア軍は、Zaporizhia市郊外の砲撃範囲に到達しようとしているようだ。

ウクライナ軍は、ルーマニア沿岸のスネーク島の支配権を取り戻すか、少なくともロシアによる同島の利用を妨害しようとしていると伝えられている。