そんなことはどうでもいい
もっとも重要なのは、だれが作戦中止を遅らせたか?

中参謀長の証言により、牟田口よりも上部組織の意向であったことが明らかになった。


●「ビルマ作戦秘史」ビルマ方面軍参謀長 中永太郎中将

そして、方面軍としてはすでに最悪の場合も考慮していた。
しかし、攻勢中止は即退却になる。
南方軍命令に基づき開始した本作戦を方面軍だけで自主的に中止することは
出来ないことはもちろんであり、第一線の状況もまた断じて絶望とは思われなかった。
しかも、その後大本営及び総軍からしばしば
「万難を排し、あくまで本作戦を遂行すべし」旨督励を受けた。
そして敵兵にも困難の色が見えたので、方面軍は成功する希望をつないだ。
たとえ雨季に入っても、本作戦の完遂を期して続行するよう決意した。

『インパール作戦―ビルマ方面軍第十五軍敗因の真相』大田 嘉弘 P444