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「孫子姫兵を勒す」

昔、呉に孫武が軍師として招かれた時、呉王は手始めに孫武に宮中の婦人達、百八十人を指揮するように命じた。

孫武が「左」と言ったら左を向き、「右」と言ったら右を向くようにと伝えた後で
命令を下すと女官達はどっと笑ってバカにしたが、
孫武は「命令が不明確で徹底せざるは、将の罪なり」と言い、命令を何度も繰り返した後に
「左」と太鼓を打つとまた宮女たちはまたどっと笑った。

孫武は「命令が既に明確なのに実行されないのは、指揮官の罪なり」と言って、
孫武が隊長に任命した王の寵姫二人を手斧で処刑しようとしたところ、
呉王は驚いて「将軍の能力は良く分かった。余はその二人がいなければ食事も喉を通らないほどなので、
斬るのはやめてくれ」と頼んだが、
孫武は「一たび将軍として任命を受けた以上、陣中にあっては君命にも従わない場合もあります」と言って
持っていた手斧で隊長二人を斬った。
すると、女官達は誰もバカにしなくなり、孫武の命令に逆らわず誰もが従うようになった。