>>585の続き
『戦史叢書 ミッドウェー海戦』(昭和46年、1971年)
p589~591引用
 三 米軍わが暗号を解読
  解読されたと思われる暗号
 わが海軍には多数の暗号が使われていたが、その通信文の内容からみて「海軍暗号書D」系統が解読されたことはまず間違いなかろう。
この暗号書は戦略常務用の一般暗号書で最も多く使われていた。
(略)
 わが海軍はこの暗号書の改定を企図していた。
昭和17年4月25日官房機密第773番電で、
5月1日から海軍暗号書D1、同一般乱数表9号使用、
暗号書Dと一般乱数表8号使用停止、同7号廃止と発令した記録がある。(53)
 注 当初昭和17年4月1日この暗号の改定を行う計画であったともいわれている。
 海軍省官房電信課員としてこれを担任していた小澤義雄中佐(のち大佐、兵50期)は、
新暗号書の配布が間に合わず実施が遅れ、ミッドウェー作戦出撃にようやく間に合わせたと回想しているが、
その改定記録は見当たらない。
一方米海軍は5月26日を最後に、日本軍が暗号を変更したため解読できなくなったとしている。(129)(138)
これらからみて、わが海軍が暗号を変更したのは5月27日(海軍記念日、第一機動部隊出撃)ころではなかったろうかと推察される。
(以下、略)