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参考までに、当時の電離層(イオン層)の研究状況は、

『元軍令部通信課長の回想』鮫島素直、昭和56年(非売品)

p17 一、電波伝播の研究ーイオン層の研究
「一方、通信計画の前提ともなるべき電波伝播の研究として、イオン層の観測研究が海軍により、国内の他の機関に先んじて昭和六年(1931年)に東京目黒の技術研究所内で始められていた。
そして、英国に本部を置く国際科学電波連盟に加盟している文部省の学術研究会議電波研究委員会のメンバーの資格で、
昭和八年に同連盟が設けたイオン層研究特別委員会に日本の常置観測所として協同研究に参加し、
担当の伊藤庸二技術少佐を日本側代表として差し出している。
〜イオン層観測局も昭和十八年には北は北緯50度から南は南緯7度、西は東経97度から東は同148度にわたる広大な地域に20局余を数えるまでに増設され、
〜このような経緯の中で海軍は、その研究結果に基づき昭和十二年末には「電波伝播図表」を作成配布し、さらに昭和十七年にその更正を行い、
おおむね戦争期間中の電波選択資料を持つことができたので、作戦実施上通信面での本質的な混乱を招くことはなかった。