あの時、自衛隊は命令なしで出動した… 濱口和久 (産経 9/1)

自衛隊は戦後、数多くの災害派遣に出動してきた。
そのなかでも史上最大のオペレーションとなったのが、平成23年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)だ。
自衛隊は、被災者の生存確率が高いとされる発災から72時間で3万人近い隊員を被災地に派遣し、人命救助・行方不明者捜索などを行った。
3カ月で延べ約868万7000人の隊員が被災地へ派遣され活動した。

この派遣に際し、当時の陸上自衛隊トップである火箱芳文・陸上幕僚長が、防衛相や統合幕僚長の災害出動命令を待つことなく、独断で発災後
ただちに部隊に出動を指示していたことは、重大な服務違反の対象となり得る行為でありながら、意外と知られていない事実である。

通常、自衛隊が災害派遣される場合には、都道府県知事の要請に基づき出動するが、緊急時には防衛相から統幕長に出動命令が発せられ、
これを受け統幕長が部隊に命令を出すことになっている。

陸幕長は陸自トップとはいえ、部隊を運用する権限を持っていないのだが、火箱氏は統幕長からの命令を待っていては救える生命も救えないと判断し、
発災から約30分、各部隊に電話をかけ続け、フライングで出動を指示していたのである(産経新聞令和3年3月7日付)。(以下有料記事)
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他の国なら即国家崩壊しかねん程の超大規模災害時では、暢気に平時の手続きを待っていては救える命が大量に失われてしまうし、
そのせいで阪神大震災時の村山政権では自衛隊の救助活動が大幅に遅延しました。

流石に我が政権与党も、状況が状況だけに制服組の事後承諾災害出動を咎める程バカではなかったし、野党の自民党もその件で
自衛隊を追及する気は更々ありませんでしたが。