>>763の続き
私が同書の評伝で特に深刻に感じたのは、
小沢提督が3F長官就任以降の参謀長古村啓蔵少将の評伝です。
マリアナ沖海戦での小沢長官の作戦指導が主体ですが、

「小沢長官の決心理由の説明が全て"参謀からの又聞き"」なのですよ。

同書において、古村参謀長は小沢長官についての評価や好悪は述べていませんが、
明らかに異常なことは「空気の読めない」私にも分かりました。

後に他書等で知ったのですが、小沢長官は古村参謀長が「航空に明るくない」と、ほとんど無視していたようですね。
おそらく両者の間にはまともな会話が無かったのでしょう。

なお同書から数年後に刊行される『戦史叢書 マリアナ沖海戦』には、この同司令部の人間関係は触れていませんし、古村参謀長の評伝には同叢書が振れていない状況の説明もあります。
古村参謀長「(海戦2日目で)この場所で艦隊が補給するのは何故か?」
参謀「小沢長官は戦闘を継続するため、なるべく敵から離隔したくないとのことです」
等。