【和訳】ISW ウクライナ戦況評価 “バフムート戦の評価” 1830 ET 29.11.2022
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バフムート周辺でのロシア軍の行動が示しているのは、限定的な作戦・戦略目標に戦力集中させるという犠牲の大きな過去の作戦から、ロシア軍は基本的に学習できていないということだ。
5月末以降、ロシア軍はバフムート周辺の小集落群への戦力拡張を継続している。
だが、続く6カ月間、ロシア軍は一度に数km程度しか占領地を広げられていない。以前にISWが主張したように、ロシア軍のバフムート進撃企図は、同軍の人員・装備の継続的な消耗をもたらし、一定の時期に比較的重要度の低い幾つかの集落に部隊を釘付けにするという結果をもたらした。

この作戦パターンは、この戦争の前半において、ロシア軍が実施したシェヴェロドネツィクとリシチャンシク奪取の試みと極めて似たところがある。今年の6月から7月にかけてISWが評価したように、基本的にウクライナ軍は、ロシア軍部隊がシェヴェロドネツィクとリシチャンシクにその作戦努力を集中させることを許容した。
このルハンシク州境近くの2都市は限られた作戦的・戦略的重要性しか持たない。ここにロシア軍が戦力集中させることで、
数ヶ月に及ぶ厳しい戦闘が続くなかで、ロシア軍の人員と装備が消耗し続けていくことにつけ込む意図がウクライナ軍にあった。
ロシア軍部隊は最終的にはリシチャンシクとシェヴェロドネツィクを占領し、ルハンシク州境まで到達した。

しかし、この戦術的な成功は、東部におけるロシア軍攻勢の作戦的成果としては取るに足らないものにしかならず、その後、攻勢限界を迎えた。この地域におけるロシア軍の活動は、概ね7月上旬に到達した戦線沿いあたりで停滞したままである。
たとえロシア軍がバフムートへと、そして同市内へと進撃し続けたとしても、また、仮にウクライナ軍が(リシチャンシクの例と同様に)この都市からの秩序立った撤退を強いられたとしても、
バフムートそれ自体はロシア軍に作戦上の利益をほとんどもたらさない。
6カ月に及ぶ、過酷で少しずつ砕かれていくような、消耗をベースにしたバフムート周辺での戦闘で生じた犠牲の大きさは、ロシア軍がバフムート奪取で得られるあらゆる作戦上の利益を、著しく上回ることになる。
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