https://www.sentaku.co.jp/articles/view/18804

ほとんど飛べない「張りぼて」

「P1はレーダー照射事件の報道で散々報じられているけど、この哨戒機はほとんど飛んでいないと言っても過言ではないのですよ」。自衛隊OBはテレビのニュースを観ながら問わず語りに漏らした。その解説によれば、約二十機のうち、常時飛行できるのは二機ほど。つまり、稼働率は一〇%という計算になる。別の空自関係者によれば、航空機全体の稼働率は通常、訓練飛行も含めて六〇~七〇%で、残りは修理や点検。「その程度の稼働率がないと、どんな任務であれ、運用に支障を来す」と言い切る。
 それでも洋上の哨戒ができているのは、老朽化しているP3Cがまだ使えるからで、これからの順次入れ替えをにらめば、P1の稼働率を高めていかなければならない。さもなければ、尖閣諸島など南西諸島の防衛も、日本周辺海域の警戒監視も画餅と化す。